ビワ
郷愁
やさしい色合い、赤ちゃんみたいなうぶ毛。
母が歌ってくれた、童謡の甘い記憶。
まるごと、しあわせな記憶でできているくだもの。
ごじまん豆知識
中国原産、バラ科の果樹。中国の栽培の歴史は古く、正倉院の書物にビワについての記述があります。日本には古くから野生種として小さな球形のビワがありましたが、現在のような形・大きさのビワ栽培は江戸時代末期からで、中国から導入されました。高松市では、昔はミカンの防風林として数多く植えられていました。
買うときは、白い毛が生えているものを選びましょう。傷みやすいので、買ってきたら冷蔵庫に保存し、2日以内に食べきるのがベストです。皮は、くぼのある方からむくときれいにむけます。
ごじまんポイント
- 栽培地域
- 高松市西部地域
- 出荷時期
- 4月~7月
ごじまん品キャラ
びわぞう
ビワは年平均気温が15℃以上で、冬季の最低気温が-5℃以下にならない地域が栽培適地とされ、日本での栽培は千葉県以西の西南暖地に限られています。現在の主要品種は「茂木」と「田中」で、どちらも中国産の唐ビワを先祖とするものです。気象条件などの理由から、九州では「茂木」が、関東では「田中」がよく栽培されています。
茂木19世紀後半に長崎の茂木村(現茂木町)で、唐ビワの種 から育成されたため、主に九州で栽培が広がりました。40 グラムぐらいの小玉ながら豊富な果実、柔らかい果肉が好 まれています。生食のほかゼリーなどの加工品としての利用も盛んです。
田中明治12年、東京の田中さんによって作られた品種で、昭和30年代までは、全国の栽培面積の80%強がこの品種で占められ、“房州ビワ”を発展させてきました。果実は大きく、整った釣り鐘型で、光沢があります。収穫間近まで酸が高いので、未熟な果実は酸っぱく感じますが、完熟すると甘みと酸味のバランスが良い果実になります。
ハウスビワ高松市では、全国に先駆けてハウスビワの栽培が開始されており、まだ寒い2月から市場に出荷されます。
陽玉(ようぎょく)昭和48年に長崎県で「茂木」に「森本」を交配して生まれました。大きいものは100gにもなるというほど、大玉で高級感があります。あふれるほど果汁が多く非常においしいビワですが、栽培が難しいのでなかなか普及していません。全国的に見ても、高松市は貴重な「陽玉」の産地です。
なつたより「長崎早生」と「福原早生」を交配して長崎県で生まれ、育成されました。平成21年に品種登録された比較的新しい品種です。皮がむきやすく、果肉に厚みがあるので、食べ応えがあります。食感は柔らかく、果汁も多く、甘さもしっかりと感じることができます。露地物では一足早い5月下旬から出荷されます。
ハウスビワ高松市では、全国に先駆けてハウスビワの栽培が開始されており、まだ寒い2月から市場に出荷されます。
食べないようにしましょう
ビワなどの種子(たね)や未熟な果実には、天然の有害物質が含まれています。平成29年、ビワの種子を粉末にした食品から、天然の有害物質(シアン化合物)が高い濃度で検出され、製品が回収される事案が複数ありました。ビワの種子が健康に良いという噂を信用して、シアン化合物を高濃度に含む食品を多量に摂取すると、健康を害する場合があります。 個別の食品のシアン化合物濃度については、製造元にお問い合わせください。熟した果肉は、安全に食べることができます。 農林水産省HPより(平成29年12月28日更新)