選びに選ばれ
収穫期の桃畑にも、幾つものモモの実が落ちていました。自然に落ちたものもありますが、傷が付いているものや熟れすぎたものは、畑に捨てなければなりません。
そして、選果作業を行い、ここでもいびつなものや傷を見つけたものは、どんどん除かれていきます。せっかく暑い中、収穫しても5分の1は捨てなければならないのです。味はもちろん、一見きれいに見えるモモもどんどん落とされていきます。
剪定では枝を選び、春には蕾を選び、実を選び、収穫してからも、選びに選んだものだけが市場に出ているのです。形も味も香りも選び抜かれて、わたしたちに届くモモなのです。
風通しの良い裏庭に通じる作業場で黙々と選果作業をする松岡さん
不老長寿の実
松岡さんは、モモのほかにカキや米も作っています。ですから、一年中、休む暇なく働いています。「こうやって苦労して働いて、収穫しても、最近の人は皮をむくだけでも、面倒がって、モモやカキをあんまり食べてくれんようになった」と嘆きます。桃太郎伝説に代表されるように、古代から邪気を払い、不老長寿につながるというモモ。実際に、悪玉コレステロール(LDL)を下げるペクチン、血圧を下げるカリウム、老化抑制や血糖値の調整作用もあるカテキンも含まれています。季節感あふれる果物・モモ。今年の夏も、たっぷり食べたいものです。
収穫して並べられたモモ